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やまとこいうた

独創的な、和歌のピアノ歌曲アルバム。

千年の永きにわたり日本人のたましいに受け継がれてきた心、 和歌のもつ心情や情景を凝縮した歌曲作品。文筆に精通した丹千尋が 百人一首を美しい音楽として蘇らせた、他に類を見ない独創的な作品。


CDの盤面には透かし彫り模様が施され、デザインも見応え十分。

ブックレットに掲載された現代語訳は、「とにかく分かりやすく、なるべく短く、けれど歌の美しさを絶対に損わないように」最新の注意をはらって、百首すべてを丹千尋自身が書き下ろした。


なお、コンサートホールや各カルチャースクールにて行われる百人一首のコンサートでは、「恋を思わせるピアノ曲とは」「祈りを表す曲とは」といった視点から選曲を行い、「やまとこいうた」に登場する歌と組み合わせて千年前へと誘う、唯一無二の演奏会となっている。

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やまとこいうた: 全商品のリスト

【Track】
1 天智天皇 / 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ
2 持統天皇 / 春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山
3 柿本人麻呂 / あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む
4 山部赤人 / 田子の浦にうち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ
5 猿丸大夫 / 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき
6 中納言家持 / 鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける
7 阿倍仲麿 / 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも
8 喜撰法師 / わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり
9 小野小町 / 花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に
10 蝉丸 / これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関
11 参議篁 / わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣船
12 僧正遍昭 / 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ 乙女の姿しばしとどめむ
13 陽成院 / 筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる
14 河原左大臣 / 陸奥のしのぶもぢずりたれゆゑに 乱れそめにしわれならなくに
15 光孝天皇 / 君がため春の野に出でて若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ
16 中納言行平 / 立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば今帰り来む
17 在原業平朝臣 / ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
18 藤原敏行朝臣 / 住の江の岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ
19 伊勢 / 難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
20 元良親王 / わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ
21 素性法師 / 今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな
22 文屋康秀 / 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ
23 大江千里 / 月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど
24 菅家 / このたびは幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに
25 三条右大臣 / 名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られで来るよしもがな 
26 貞信公 / 小倉山峰のもみぢ葉心あらば いまひとたびのみゆき待たなむ
27 中納言兼輔 / みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ
28 源宗于朝臣 / 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
29 凡河内躬恒 / 心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
30 壬生忠岑 / 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし
31 坂上是則 / 朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪
32 春道列樹 / 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり
33 紀友則 / ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ
34 藤原興風 / 誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに
35 紀貫之 / 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける
36 清原深養父 / 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ
37 文屋朝康 / 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
38 右近 / 忘らるる身をば思はず誓ひてし /人の命の惜しくもあるかな
39 参議等 / 浅茅生の小野の篠原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき
40 平兼盛 / 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで
41 壬生忠見 / 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
42 清原元輔 / 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは
43 権中納言敦忠 / 逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり
44 中納言朝忠 / 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし
45 謙徳公/ あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたずらになりぬべきかな
46 曾禰好忠 / 由良の門を渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ恋のみちかな
47 恵慶法師 / 八重むぐら茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり
48 源重之 / 風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな
49 大中臣能宣朝臣 / 御垣守衛士のたく火の夜は燃え  昼は消えつつものをこそ思へ
50 藤原義孝 /君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな
51 藤原実方朝臣 / かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを
52 藤原道信朝臣 /明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな
53 右大将道綱母 / 嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る
54 儀同三司母 / 忘れじのゆく末まではかたければ 今日を限りの命ともがな
55 大納言公任 / 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ
56 和泉式部 / あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな
57 紫式部 / めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月かな
58 大弐三位 / 有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を忘れやはする
59 赤染衛門   やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな
60 小式部内侍 / 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立
61 伊勢大輔 / いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな
62 清少納言 / 夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ
63 左京大夫道雅 / 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな
64 権中納言定頼 / 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木
65 相模 / 恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ
66 大僧正行尊 / もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし
67 周防内侍 / 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ
68 三条院 / 心にもあらで憂き世に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな
69 能因法師 / 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり
70 良暹法師 / 寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮
71 大納言経信 / 夕されば門田の稲葉おとづれて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く
72 祐子内親王家紀伊 / 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ
73 前権中納言匡房 / 高砂の尾の上の桜咲きにけり 外山のかすみ立たずもあらなむ
74 源俊頼朝臣 / 憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを
75 藤原基俊 / 契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり
76 法性寺入道前関白太政大臣 / わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波
77 崇徳院 / 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ
78 源兼昌 / 淡路島通ふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守
79 左京大夫顕輔 / 秋風にたなびく雲のたえ間より 漏れ出づる月の影のさやけさ
80 待賢門院堀河 / ながからむ心も知らず黒髪の 乱れてけさはものをこそ思へ
81 後徳大寺左大臣 / ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる
82 道因法師 / 思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪へぬは涙なりけり
83 皇太后宮大夫俊成 / 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
84 藤原清輔朝臣 / 長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき
85 俊恵法師 / 夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ ねやのひまさへつれなかりけり
86 西行法師 / 嘆けとて月やはものを思はする かこちがほなるわが涙かな
87 寂蓮法師 / 村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮
88 皇嘉門院別当 / 難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき
89 式子内親王 / 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする
90 殷富門院大輔 / 見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず
91 後京極摂政前太政大臣 / きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む
92 二条院讃岐 / わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし
93 鎌倉右大臣 / 世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも
94 参議雅経 / み吉野の山の秋風さよ更けて ふるさと寒く衣打つなり
95 前大僧正慈円 / おほけなく憂き世の民におほふかな わが立つ杣に墨染の袖
96 入道前太政大臣 / 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
97 権中納言定家 / 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ
98 従二位家隆 / 風そよぐ楢の小川の夕暮は 御禊ぞ夏のしるしなりける
99 後鳥羽院 / 人も愛し人も恨めしあぢきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は
100 順徳院 / 百敷や古き軒端のしのぶにも なほ余りある昔なりけり

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